1)従来型のコミュニティの限界

従来型のコミュニティは、同じ地域の住民、あるいは同じ組織、同じ専門分野を持った人間の間で形成され、コミュティの既存の利益を守ることに注力する傾向があります。そのため、新たに出現した解決すべき緊急の問題に真に力を合わせて取り組んでいけないことが多くなっています。

日本が直面する高齢社会を乗り切るためには、それぞれの地域で地域事情に則した地域包括ケア体制を構築する必要性が指摘されています。支える世代が減り、支えられる世代が増えると、公的な支援だけでは機能しなくなるためです。医療の形が変わり、地域の中でのつながりが重視されることになります。このようなお互いが支えある地域包括ケア体制の構築は、地域の区市町村にとって大きな課題になっています。この体制づくりに前進できている地域はごくわずかしかありません決して多くはありません。これは、従来型のコミュニティの枠組みの中だけで解決しようとしているためなのかもしれません。

現在においては、異なる職種、セクターを超えたコミュニティ作りが求められています。この今求められている新たなコミュニティを『21世紀型地域コミュニティ』と呼ぶことにします。

2)21世紀型地域コミュニティとは何か?

21世紀型地域コミュニティとは都市型コミュニティ(注)の特徴を取り入れた地域に根差した持続可能なコミュニティのことです。

注)都市型コミュニティ:“独立した個人と個人のつながり”ともいうべき関係の在り方を指し、個人の独立性が強く、またそのつながりのあり方は共通の規範やルールに基づくもので、言語による部分の比重が大きく、個人間の一定の異質性を前提とするものである。(『コミュニティを問い直す』15ページ(広井良典著 ちくま新書))

21世紀型地域コミュニティの広い意味での特徴は以下のようなものです。

・オープンに多様な人々が連携します
専門性や所属を問わないことです。年齢や年次の違いを越えた、当該地域におけるオープンな集まりになります。異職種、異なるセクターで仕事をしている人が、所属組織を超えて、連携し力を合わせます。

・課題を解決することを目的とします
組織維持、既存利益を守ることを目的にしません。

・様々な手段でコミュニケーションをします。
直接顔を合わせることが、時間的に地理的に難しいケースがあるため、様々な方法でコミュニケーションを行います。直接顔を合わせるものから、電子的なものも含めて、様々なコミュニケーションで行います。

・個が大切にされ、独立した個人同士がつながりをつくっている
1人1人できる範囲で活動します。活動や貢献を強制されません。双方向コミュニケーションにより自律的に運営します。コミュニティへの参加は自由意志(個人の思い)によります。